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受験考察 理科編

今年度の公立高校入試において西岩国教室の頑張ったところ、もう少しだったところを、
近隣の教室の協力を得て集計した得点状況などを踏まえて報告してゆきたいと思います。

第五回目は理科です。

第一問の光の屈折の作図はH17以来の出題でした。
10年前までは過去問を解かしていたのですが、あと2年。もったいないことをしました。
ただし正答率が半数以下と低かったことについては、過去問を解かす解かさないにかかわらず、
作業系の問題量が不足していたことを率直に反省しなければならないと思いました。

第二問原子の構造90.9%の得点率は簡単な問題でしたので、この程度は当然だと思います。
第三問も他教室より10%程度得点率が上回っていましたが、(2)(ア)の血液の循環を正確に覚えていない生徒が散見されました。
これも自分で図示してみれば理解できることですので、そのような作業が不足していたと思います。

第四問の台風と気団のかかわりでは他教室より18.8%も低かったです。
気団と季節の関係は直感的なので、受験対策授業でも取り上げることなく、
生徒の苦手な飽和水蒸気量関連、前線関連を優先的に指導した関係で、
私としては気団を完全にノーマークにしていました。これは私のミスでした。

第五問の滑車の問題は84.1%の得点率で、他教室を大きく上回っていました。
実は、これに似た滑車の問題が近隣の学校の二学期末テストで出題されていたのです。
それを解きなおしたりすることを通じて生徒たちは滑車のことを理解したのだと思います。
これは本当にラッキーでした。

第六問の岩石と地層では61.0%の得点率しかなく他教室より低かったです。
これは示準化石と示相化石を正確に区別できていないことかが原因でした。
直前の模試で示相化石を取り上げていただけにもったいなかったです。
また、暗記特訓にも「示準化石」はあったのですが、
用語を答えるだけになっていたので、用語から内容の説明もできるようにさせることが必要でした。

第七問の根の成長と細胞分裂では55.8%で他教室より得点率が低かったです。
生物分野は暗記要素が多く、生徒任せになっていた部分もありました。
理解したかどうかの確認の精度を上げなければならないと反省しています。

一方で第八問の酸化銅72.7%で他教室を大きく超えていました。
これは入試予想問題集で多く取り上げた問題だったので、大きなアドバンテージとなりました。

第九問の種子の発芽は他教室より高かったものの得点率が70%に届いていませんでした。
やはり生物の考察問題を解かせる分量をもう少し増やさないといけなかったです。
生徒からも化学、物理分野への不安の声を聞くことが多かったので私がそちらに引きずられたことが原因だと思います。

以上を踏まえまして今年の理科を振り返りますと、
全体の得点率は他教室を10%近く上回っていましたので、
精選から始まり直前予想問題集まで解かせてきた問題量が物を言ったと思います。
そこは来年も継続していかないといけません。

一方で、作業系の問題があまり正答率が高くありませんでした。
実験考察問題についても同様です。

従って、来年は直前予想問題集の出題構成を変えて作業系の問題、実験考察を増やします。
また、取り組み開始時期を早めて弱プリが消化できる時間的余裕を持たせます。
そして、「いっとうくん」と紙ベース試験を日常的に取り入れて知識量の確認をしてゆきます。

最後に少し恨み言を言わせてもらえば、電流、天体が全く出題されないなど、今年の出題内容は少し内容に偏りがあるように感じました。
全員合格したので良かったものの、来年はもう少しバランスを考えてもらいたいと思います。

以上です。