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受験考察 社会編

今年度の公立高校入試において西岩国教室の頑張ったところ、もう少しだったところを、
近隣の教室の協力を得て集計した得点状況などを踏まえて報告してゆきたいと思います。

第四回目は社会です。

第一問の世界地域と気候の問題では、90%近くの得点率でした。
しかし、第二問日本史文化史では他教室におおきく引き離されました。
簡単な問題だっただけに悔やまれます。
いっとうくんだけで完結させず、いっとうくんとウイングネットとを横断的に活用し、
基本的用語については確実な暗記をさせておくことが必要でした。

第三問日本の政治の仕組みについては他教室を15%近く上回っていました。
三権分立の図をフリーハンドで書けるように指導していた成果が出たと思います。

ただし、(2)の社会保障関係費が歳出に占める割合が一番多いだろうことは大人であれば容易に想像がつきますが、
正しく答えられない生徒が多かったです。
世の中の出来事と公民の問題をつなげて理解するに至っていなかったということだと思います。
このあたりが子供に公民を学ばせる際の課題だと考えます。

そして、第四問世界地理、資料の読み取りでは、ヨーロッパの民族の組み合わせを選ぶことができない生徒が多かったです。
(2)ではラテン系を勘違いしていることが主な原因でした。
また、(5)新傾向の地形図から断面図をおこすことができなかった生徒も多かったです。
これについては補習で取り上げようと頭をよぎったのですが、
例年通りの地形図の読み取り問題が出るだろうと考えスルーしてしまいました。
私の痛恨のミスでした。

第五問の歴史総合では他教室を15%上回っていました。
特に、(3)刀狩の目的についての記述と、(5)ノルマントン号事件の風刺画の問題は全員が正解でした。
素晴らしかったと思います。
しかし、歴史の流れの中で日英同盟を理解していなかったがために、(6)(イ)を落としている生徒がいました。

第六問の国連と人権保障、企業の経済活動でも他教室を大きく上回っていました。
しかし、(1)(エ)男女雇用機会均等法という山口県の鉄板ネタを全員が正解できなかったことは悔やまれます。
男女共同参画社会基本法と混同した解答が見られました。

また、(2)(イ)で多くの人が株式を買おうとすると株価は下がるとした解答もいくつかありました。
需要と供給についての基本的な理解が欠けていると思われました。

第7問日本地理は、他教室を上回っていたものの、一番得点率の低い大問でした。
(1)(ア)で灌仏会が気にかかったようで七五三を正しく選べていない生徒が何人かいました。
花祭りがクリスマスのように盛り上がることもないし、
七五三などの小さい頃のことは子供は覚えていないでしょうから、
これはある意味では仕方ない失点だと思われましたが、
(1)(イ)応仁の乱によって途絶えた祇園祭を町衆が復活させたというのは近年よくある問題だったので、
もう少し正解率が高くても良かったように思いました。

また、(1)(ウ)でラ・フランスをあまり食べないのか、山形県を選べていない解答が多かったです。
そして、良い潮目に良い漁場があるという定番の問題を書き切れていない生徒もいたりして、
特定の問題がとりわけ難問であったというわけではないのに、少しずつ点を落としていったのが第七問だと言えそうです。

以上を踏まえまして今年の社会を振り返りますと、
精選、過去問、Vテキスト、直前予想問題と、演習量は十分だったと思われますが、
やはり「なぜ」を追求する姿勢の不足、特に地理での不足を感じました。

受験期におけるアウトプットを重視してきたがために、そのあたりをフォローしきれていない面もあるのですが、
一方で、このアプトプットを積み重ねることで他教室を引き離しているという面もあるので、
来年度はアウトプットの工夫、特に理由を答えさせるような記述、作業量の増加が必要になると考えます。

また、生徒一人一人には学校の授業に能動的に参加して、
インプットの段階で「なぜ」を理解する姿勢を持つように指導してゆきます。
 
以上です。次回は理科です。